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積木の恋 :凪良ゆう

4829625163積木の恋 (プラチナ文庫)
凪良 ゆう
フランス書院 2011-10-11

by G-Tools

タイトルがステキですね。
地味な攻がどんどん格好良く見えてくる不思議!
【積木の恋/凪良ゆう/朝南かつみ/プラチナ文庫(2011年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
ゲイバーで加賀谷聡に声をかけ、身体の関係を持つようになった五十嵐蓮。
恋愛詐欺師の蓮は、裕福な家庭に育ち、医者として働いている聡を騙そうとしていたのだが…。

名前も過去も偽り、聡に近づいた蓮。
出来るだけ多くの金を手に入れるために、気を惹くために距離を保ちながら付き合っていた蓮だったが、聡はそんな蓮を疑うことなく優しい。
そんな聡にペースを崩され、自分の惨めさを感じさせられて苛立ちが募っていく。
次第に「騙したくない」気持ちを無視できなくなる漣だが、聡に愛されている偽りの自分を壊すことも出来なくて…。
という、詐欺師と真面目な男の話。
騙すために近づいたのに、相手に惹かれてしまうという展開に加え「医者」という設定は最近何か読んだなぁ…と思い出したのは高遠先生の「純情不埒」でした。
そちらは攻が受を騙してましたが、こちらは受が攻を騙しています。
この状態で本気になると、どうしても騙している方は苦しくなってしまいますよね。
相手に愛されているのは、偽物の自分だから。
漣の場合、詐欺師をしている背景には不幸な生い立ちがあって、決して面白がって相手を騙しているわけではありません。
カモにするのは騙されやすそうでお金を持っている相手、つまり育ちのよい世間知らずな傾向が強い相手なので、ふとした時にその相手の生まれながらに手にしている「幸福」と自分が選ぶ余地もなく背負っていた「不幸」を感じてしまう。
だから深く考えないようにしていたのに、聡があまりに純粋に好きだという気持ちをまっすぐに向けてくるから調子が狂っていく。
詐欺師として上手く行けばいくほど、漣の気持ちは乱されていきます。
そして自分の気持ちに気付いた時、すべてを失ってしまうことに。
前半は出会いから紆余曲折を経て、詐欺師でない本当の漣と聡が恋人になるまで。
後半はその後、一緒に暮らし始めてからの話です。
個人的には、前半は聡があまりにいい人過ぎていまいち話に入りこめなかったのですが、後半、ふたりがぶつかり合いながら前に進んでいく姿に心が動かされました。
漣は元々生い立ちが不幸だった事もあり、どうしても周囲から色眼鏡で見られてしまうので、心を入れ替えて真面目に生きようとしてもなかなか上手くいきません。
そうした中で、漣が「どうせ自分は…」と先回りして諦めているのはそんな周囲の環境だけでなく、聡との関係に対しても同じ。
人に甘えたこともなければ、本気でぶつかり合った事もない漣は身近な相手との人間関係すら上手く築けずにいて、聡を好きなのに、失ったときが怖くて距離を置いてしまっている。
好き合って一緒に暮らしているのに、ふたりの間にある距離は縮まりません。
聡はそんな漣の心が開くのをじっと待っていて、でも大切な場面ではしっかり漣にぶつかっていきます。
穏やかな日常の中にある小さな違和感がふとした切っ掛けで大きくなっていく中で、逃げ出しそうになる漣と、それを繋ぎ止めようとする聡のやりとりがすごくよかったです。
漣の置かれた環境は特殊で、自分とは違う世界の事に見えますが、人と深く関わり合う事に慣れずに右往左往するのは珍しいことではないですよね。
漣の抱えている問題が他人事とは思えない。
ふたりの言い合いのシーン、聡の言葉が胸に響きました。
こんな風に漣を想って見守っていたのか…。
聡に対する印象がかなり変わりました。
地味なのに、どんどん格好良く見えてくる!

濡れ場は何度かあります。
でもあまり目立たないですね。
悪い意味じゃなく、良い意味で馴染んでます。
萌えよりもそこでの心理描写の方に目がいきました。

ということで、凪良先生の新刊です。
序盤はどうかなと思っていたけれど、後半の話がとても面白くて大満足でした。
タイトルがステキですね。
あとがきに、凪良先生は「積木」に「すぐ崩れるもの」というネガティブなイメージを持っていたようですが、「積み上げていくもの」と担当さんからの言葉に目から鱗が落ちたと書かれていました。
私も目から鱗!
同じ言葉でも人によって感じ方は全く違う。
人間関係は積み上げていくものだし、些細な事で崩れてしまうものでもあると思うので、「積木の恋」というタイトルはすごくしっくりきました。
崩れてしまわないよう、大切に積み上げていかなきゃですね。
素直に笑い合える関係がとても眩しく、そんな相手がいる事の幸せを改めて感じる話でした。
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2011.10.14 01:08 | 凪良ゆう | trackback(0) | comment(0)
            












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