にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

いとしさを追いかける :杉原理生

434480970Xいとしさを追いかける (幻冬舎ルチル文庫)
杉原 理生
幻冬舎コミックス 2007-03

by G-Tools

またしても泣きツボにクリーンヒット。
面白かったです…!
【いとしさを追いかける/杉原理生/麻々原絵里依/ルチル文庫(2007年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
大学進学を機に上京した杜国は、1年間、ずっと忘れることのできなかった高校の先輩・掛井に電話をした。
高校時代、掛井を裏切る行為をして傷つけてしまった。
それなのに、何もなかったかのように優しい掛井に、杜国は戸惑うのだが…。

高校時代、杜国は同じバイトをしていた掛井と親しくなった。
でもそれは、偶然じゃなくある目的のため。
懐いてきた杜国を可愛く思い、何かと世話を焼いてくれていた掛井だったが、その距離はいつしか近づきすぎていた。
掛井が抱いている好意を知りつつも、自ら近づいていく杜国。
その距離は掛井の卒業を目前にしたある日、最悪の形で破綻する。
「おまえの顔は見たくない」
拒絶の言葉を最後に離れていたふたりだったが、上京した杜国の電話を切っ掛けに再会した。
何事もなかったかのように接してくる掛井に対して、杜国も以前と同じように振る舞うのだが、胸に積もる複雑な想いに耐えられなくなり…。
という、再会もの。
自分から相手を傷つけておいて、忘れられず追いかけてきた杜国の行動は、一見すると矛盾しています。
しかも、そこまで執着しているのに恋愛感情を自覚していない。
掛井の友人である佐賀と同じように、その背景にあるものを知らなかったら、杜国を酷い奴だと誰もが思う状況ですよね。
でも、その行動には杜国の抱えている事情が大きく関係している。

杉原先生の作品ではよくある展開ですが、現在の出来事の合間に過去のエピソードが入り、徐々にいろいろな事が明らかになっていきます。
その過程で読み手の心も動かされていくので、予備知識がない方が楽しめるのではないかと思います。
物語の核心に触れているわけではありませんが、そう言った意味で、以下はネタバレを含んだ感想になっています。ご注意くださいませ。

高校時代、杜国が何故自ら掛井に近づいたのか。
それは、母のパトロンである男の息子の存在を知り、興味を持ったから。
絶望するような不幸せな生活ではないけれど、父親を知らず、忙しい母とふたりで生きてきた杜国は、表には出さないけれど鬱屈を抱えています。
掛井を貶めようと思ったわけではない。
でも、満たされない自分と、幸せな家庭に育ったであろう掛井の間にあるものを確認したいという気持ちで掛井に近づいた杜国。
なのに、近づいてみたら、掛井はいい人で、優しくて、自分を大切に想ってくれる。
杜国はそれを失いたくないけれど、素直に受け入れる事も出来ず、身動きできなくなってしまう。
気持ちを整理出来ないまま壊れてしまった関係を忘れられなかった杜国は、1年後自ら動いて掛井と再会します。
でも、何事もなく受け入れてくれた掛井に、その胸の想いは消化できないまま膨れあがっていく…。
あぁ…切ない。
結果的に掛井を傷つけてしまっているけれど、元々掛井に対して明確な悪意があったわけではなく、それまでの日々の中で杜国の胸の中に積もっていた寂しさや、不満がその行動に向かわせたのだろうと思うと、杜国を責めることも出来ない。
そして、紆余曲折を経て想いが通じ合ったあと、杜国がぶつかってしまった壁。
掛井が好きで、自分を受け入れて欲しいけれど、内面を晒すのは怖い。
相手に踏み込むのも怖い。
だから付き合い始めても距離が縮まりません。
杜国は、人に求められる事に慣れていないから、愛される自信もないんですよね。
普段は表に出さないけれど、自己否定が杜国の心の底にずっとあるのです。
苦しみながらも、「涙の先にあるものが知りたい」と自分の心に向き合っていく杜国に、私の涙腺も崩壊しました。
自分を肯定するために、幸せになるために、不器用ながらも立ち向かっていく杜国に勇気づけられた。
そして、それを受け入れてくれる掛井の存在にホッとさせられました。

それにしても、掛井も相当不器用ですよね…。
事情が分からないのに、この状況でよく好きで居続けられたなと思う。
佐賀が遠慮無しに掛井も、杜国もバッサリ斬っていますが、もし自分の友人がこんな状態だったら私も佐賀と同じような対応をしますよ…!
「好き」という感情は理屈では説明出来ないものだから、忘れられないのは分かる。
でも、戻って来た杜国に何も問わずに受け入れるその忍耐力はすごいと思います。
人に言われて気付いたのですが、杉原先生の作品に出てくる攻は健気で忍耐強い人がいっぱいですね。
じっと耐えて待つタイプが多い。
でも、落ち着いた雰囲気から一変して、エッチの最中は情熱的に相手を求め、欲情しているのが感じられるので、遠い存在にならず親近感を覚えます。
杉原先生の作品で泣かされることはよくありますが、涙しても心が救われた気持ちになるのは、この攻の存在も大きいのだろうなぁと思いました。

ということで、こつこつと杉原先生の既刊本を読み進めていますが、またしても私の泣きツボにクリーンヒットしました。
村国のように、自分でも整理出来ない感情などで恋愛に臆病になっていたり、相手との距離を詰められなくて悩むキャラがいい!
「好き」と相手を追うばかりでなく、そこから生まれてくる自分の感情に向き合っていく過程が面白いし、その想いに泣かされる。
杉原先生の作品は、こうした私のツボに嵌る事が多いので病みつきです。
さて、次は何を読もうかな~?
関連記事
2011.04.12 01:44 | 杉原理生 | trackback(0) | comment(2)
            

にゃんこさん、こんにちは。
『夏服』、『夜の寓話』とおすすめをよませていただいて、『いとしさをおいかける』で超ツボにきてしまいました!

このせつなさはどこからくるのでしょう?
と思いつつ、にゃんこさんの「解説」を読んで納得してしまいました。
主人公の相手が彼じゃなかったら、いったいどんな惨事になってたのかしら!といらぬ心配してしまいました。

さっきアマゾンから、おすすめの『その目でみるな』が届きましたv さっそく開封したいです!

同じくにゃんこさんのおすすめで、すっかりとりこになってしまった依田さんの初期漫画を集めた『さくらのくちびる』。今と書きたいことの軸が変わってないーー! という嬉しい驚きでした。
絵や文章が発展途上でも、書きたいことがはっきりしていて、持続力のある方は、きっと読者に愛されていく運命なのでしょうね。

引き続きにゃんこさんのおすすめを楽しみにしています♪

ちなみに…にゃんこさんは、蠍座ですか?
今、仕事で西洋占星術の方とご一緒しているもので、急にぶしつけなことをすみません。
お答えは全然無理しないでください。
(本当は生年月日と生まれ時間も伺って、なぜこんなに長期にわたって評論を続けられるのか知りたい気持ちでいっぱいです笑)
よく気持ち悪い~!と言われております。

モグ

2011.04.27 12:09 URL | #- [ 編集 ]

モグさん、こんばんは~♪

杉原先生にも可南先生にも最近かなり泣かされています…。
でも、この切なさがクセになる!
大好きです。
今晩も杉原先生の作品の感想を書いてしまいましたv
依田先生の「さくらのくちびる」よかったですか?
私はまだ買っていないので、読むのがとても楽しみです♪

ちなみに、私は蠍座ですよ!!
すごい!見抜かれてる…!

いつもコメントいただきありがとうございます(^^)
これからもお気軽にどうぞです~♪ではでは!

2011.04.28 02:29 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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