にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

4403662811エンドゲーム (1) (ディアプラス・コミックス)
山中 ヒコ
新書館 2010-07-30

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バッサリ斬られました…。
ヒコ先生の今までの作品のなかで一番好きです。
【エンドゲーム(全2巻)/山中ヒコ/Dear+コミックス(2010年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
幼い頃に事故で親を亡くし、孤児院にいた克哉。
近くの土手に画を描くために来ていた透と出会い、引き取られることになった。
それから数年経ち、高校生になった克哉は、透に惹かれている気持ちを隠しながら日々を送っていたが、透にある疑惑を持ち始め…。

血の繋がらない親子の話です。
若くして克哉を養子にしているので、年齢差は12,3歳くらいしかない。
それに加えて、透は穏やかでおっとりした性格で、家で画を描く仕事をしているので社会人らしい印象がありません。
なので、克哉にとって透は父親というより守るべき存在であり、その気持ちは成長するにつれ欲望をともなった恋愛感情へと発展しています。
でも透は自分を家族として大切に思っている事を知っているので、克哉は透との関係を崩さないように、必死に気持ちを押し隠している。
その熱を部活動に励んだりすることで発散させていたけれど、それももう限界に近いと感じていた時、母親の事故はひき逃げだったと知る事に。
そして、透がそれに関係しているのではないか?という疑いを持ち始めます。
ずっと透を見ていたからこそ、いろいろな言動がそこへ繋がってしまい、透への疑惑が日々募っていく。
それが本当だったら、透の優しさは純粋に自分へ向けられた愛情なのではなく、克哉に対する贖罪なのかもしれない。
克哉にとっては、裏切りみたいなものですよね。
憎むべき相手を愛してしまった。
その感情をどうしていいのか分からず、煩悶し続けています。
1巻の半ばまではほのぼのとした雰囲気で、ドタバタしながら血の繋がらない親子が恋人に発展していくのかなと思いながら読んでいたのに、途中からどんどん雲行きが怪しくなってきて吃驚でした。
予想以上にシリアスです。

以下、ネタバレしているので未読の方はご注意くださいませ。

事件の真相は黒田という透の大学の同級生で、恋人だった男が現れたことで明らかになります。
結果的に、透と克哉はお互いの立場や気持ちを汲み取った上で未来へ向かうわけですが、その展開が、淡々としているのに最後の場面に向かって熱量が上がっていくのが感じられて泣かされました。
でも、克哉が自分から離そうとしていた透の手を再び取って、それで上手くいくと思いきや、そこからもうひと山ありましたよ!
このふたりの関係を考えたら当然のことで、そこが読みたかったところだったので、番外編として続いていてよかったです。
透は克哉のことを好きだけど、自分からは動けない。
克哉を待って、受け入れることしかできない。
それは仕方がないことで、だから克哉がその距離をどう詰めていくかにかかってる。
克哉は体力的には透よりも勝っているし、しっかりもしているけれど、精神的にはやっぱり高校生な部分がまだまだ残っています。
透との関係を通して、克哉が成長しているのがすごく感じられますね~。
ぼんやりしていても、涙もろくても、透は芯がしっかりしていて、そんな透と克哉の組み合わせがいいなぁと思いました。
兎にも角にも、番外編のふたりがお互いに好きな気持ちを抱えて悶々としている様子が可愛くてしかたない!

そして、もうひとつの番外編は黒田の話でした。
黒田は自分を裏切った透を憎んでいます。
自分の罪からは逃げておいて、逆恨みするなんて何を言っているんだ!と思いますが、黒田は黒田なりにそうせざるを得なかった理由があるわけです。
苦しんでいるのは黒田だけじゃない。
透だってその事件で傷ついて苦しんでいる。
でも、その苦しみから泥だらけになりながら抜け出そうとした透とは違い、黒田は苦しみを「憎しみ」という形にしか出来なかった。
黒田の歪みは家庭環境によるところがすごく大きいけれど、透との出会いで人を好きになって、優しさを知って、徐々に変わっていたんですよ、事件までは。
ただ、そこで逃げてしまった事で闇に取り込まれてしまった。
事件がもう少し後だったら、黒田の運命は違っていたのだろうなと思うと、なんだかもうやりきれない気持ちでいっぱいになりました。
黒田の話の最後のページが痛い。
克哉に出会ったことで立ち直ることが出来た透とは対照的に、誰の手も取れなかった、取る勇気の無かった黒田の話は読んでいて辛かった。

ということで、ヒコ先生の長編でした。
独特の雰囲気を持っている作家さんですが、今回は予想以上に重い話で吃驚。
序盤ほのぼのしていたので油断してしまいました…。
やられた。
親子関係から恋人になるにはそれなりに大きな切っ掛けが必要かなと思いますが、まさかそんな過去があろうとは!
でもまぁ、ハードルがあっても透と克哉の気持ち自体は向き合っているので、その過去が表に出てしまってからは努力次第でどうにかなるだろうなと、前向きな気持ちではいられました。
が、黒田の話はそうはいかないので後を引きますよ…。
運が悪かったと言えばそれまでだけど、身近なところにそんな闇はあるのかもしれないと想像すると怖いなと思う。
私の中で、ヒコ先生は良い意味でも悪い意味でも読後感のモヤモヤする作家さんなのですが、今回もそんな作品でした。
透と克哉の話は、ハッキリしないところがありつつ、そんな言葉にしないところが愛情の深さみたいなところがあります。
一方の黒田の話は、悲しい。
対照的なふたつの結末に胸を打たれました。
感じた事を上手く言葉に出来なくてもどかしいのですが、ヒコ先生の今までの作品のなかで、わたしはこれが一番好き。
ほのぼのした話より、痛さのある話が合うと思います。
そんな中にある甘さに萌えてしまう!

440366296Xエンドゲーム (2) (ディアプラス・コミックス)
山中 ヒコ
新書館 2010-12-29

by G-Tools

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2011.01.10 01:49 | 山中ヒコ | trackback(0) | comment(4)
            

にゃんこさんこんにちは♪山中ヒコさんの「エンドゲーム」読まれたんですね~
実は前からこの作品は気になってまして..購入するか迷っていたのですが、にゃんこさんの日記を読んで、買おうと思います!

山中ヒコさんの作品は読んだ事がないので、ワクワクします~

シリアスな内容って心が痛くなりますけど、その分心に残るんですよね..

読んだらまたコメントしますね~(^-^)

2011.01.10 14:11 URL | さち #- [ 編集 ]

さちさん、こんばんは~

1巻を読んで続きが気になっていたので、ようやくスッキリできましたv
面白かったのでオススメします♪
Dear+だし絵柄も可愛いので油断してしまいますが、結構重いので心してかかってくださいね!

ヒコ先生の他の作品はここまでシリアスではないですが、独特の余韻があって後を引きます。
機会があれば、他の作品もどうぞです(^^)

コメントありがとうございました。
今年もよろしくお願いいたします~♪ではでは。

2011.01.13 00:49 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

遅くなりましたが、やっと読みました~!!

すごく良かったですっ!!
話しの展開全てに筋が通っていて、1巻からの伏線もしっかりと利いていて..大体話しは予想出来るな~と思っていたのですが、まさか黒田が!!って感じでドキドキしながら読みました。

透の、克哉に対する優しさを一つずつ知る度に、すごく胸が締め付けられて、何度もウルウルして泣かされました(>_<)
克哉の、透に対する優しい気持ちと激しい気持ちの変化もすごく伝わってきて切なかったです。

そして黒田は、とてもリアルな人間だと思いました。人が逃げたいと思うのは当たり前で、その感情を憎しみに変えたという事が悲しいですね..透に対する気持ちも、出会いからの過程で変化し、心から好きだったと分かるので更に悲しく思いました。そんな痛々しいけど人間味ある黒田が私は好きだな~と思いました。

透と克哉の関係は、良い関係に収まってホッとしました~番外編の二人の話しにはキュンキュンしながら読みました!!透が可愛い過ぎますっ(≧o≦)

最後の「幸せな機械」も良かったです~♪゛タイトルを見て?って思ったのに、そういう事かぁ~~!って感じです。幸せって素敵ですね。

長くなりましたが、まだまだ語りたいくらいに本当に読んで良かったです!
こんなに胸にギュッとくるマンガは久しぶりでした~
にゃんこさんのおかげで、また大切な本が増えました有り難うございます(^-^)
山中ヒコさんの他のマンガも読んでみたいと思います♪

2011.01.28 17:17 URL | さち #- [ 編集 ]

さちさん、こんばんは!

エンドゲーム、よかったですよね!
ヒコ先生すごいなぁと、改めて感じる話でした。

透と克哉の話だけど、黒田もすごい印象に残るキャラでしたね。
透と黒田の対比が切なくて…。
キャラは全然違いますが、人間らしさという点ではふたりとも濃くて読み応えがありました。
人間味ある黒田が、私も嫌いじゃないです。
ただ、直視するのはちょっと辛いですね…。

「幸せな機械」
私も好きです~。
ほっこりしました!

感想コメントありがとうございました♪
レス遅くなってしまい申し訳ありません(>_<)
また共感していただけた作品があれば、ぜひお気軽にどうぞです~
ではでは!(*´ω`*)

2011.01.31 01:16 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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